Every Good Boy Deserves Fudge / Mudhoney
- Mudhoney
- Every Good Boy Deserves Fudge
初期のグランジバンドの中でも,このMudhoneyだけは商業的に成功しなかった。しかし,だからといってこのバンドがその他のバンドに劣っていたなんてことは全くない。むしろ最高だ。
音楽のムーブメントなんてものは,プログレやニューウェイヴのように,多様性に基づく定義がされているものでない限り,最初のいくつかのアーティストの成果を拡大再生産して終わるだけだ。グランジも例外ではなく,個人的にはSoundgardenとNirvanaとこのMudhoneyを聴けば十分だと言える。あ,いや,Love Batteryとか結構良かったな。それはいいとして,このMudhoneyこそが最もユニークなグランジバンドだったことは間違いない。
ハードロックやパンク的なカッコ良さが売りのバンドが多い中,せーの,で全力疾走始めたと思ったらすぐさまずっこけるこのバンドは何なんだろう。ハードロック的な美学とはあまり縁がなく,むしろDevoみたいなカッコ良さがこのバンドの持ち味だ。音楽的にも,他のグランジバンドがサバスやツェッペリンの影響が大きいのに対して,このバンドはブルー・チアーやニュー・ヨーク・ドールズみたいなロックンロールがベースである。うるさいのはうるさいんだけど,ただ単にアンプのボリューム上げてみました的な潔さ(バカさ)が素晴らしい。
このアルバムは,彼らの2ndアルバムで,インディーズから出した最後の作品だ。1曲目の「Generation Genocide」で不穏な空気を醸し出したと思ったら,次の「Let It Slide」で見事にずっこける。ところどころ真面目そうな曲もあるが,基本的にずっこけナンバーにこそ名曲が多い。彼らの作品は基本的にどれも同じだが,曲のよさや録音のチープさ等々総合すると,この作品が一番好きだ。
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- Superfuzz Bigmuff Plus Early Singles
↑初期のミニアルバムとシングルをカップリングしたもの。Sonic Youthとのレパートリー交換スプリットEPに収録の「Halloween」も収録。そのスプリットでSonic Youth側が演奏した初期の名曲「Touch Me I'm Sick」も収録。