Get Happy!! / Elvis costello & The Attractions | Blue Monday だより

Get Happy!! / Elvis costello & The Attractions

Elvis Costello & the Attractions
Get Happy!!

 コステロ先生も,芸歴が既に30年である。これだけ才能があるのだから引退されてはもったいないのだが,大きなヒットを出すこともなく,長くやってくれていることに感謝したい。といいつつ,今回紹介するのは初期の作品である。


 『Get Happy!!』という非常にポジティヴなタイトルが付けられたこのアルバムは,コステロとして4枚目にあたる。個人的には,5枚目の『Trust』まではどれも傑作だと思うので,別の作品を選んでもよかったが,とりあえずこれ。


 コステロの魅力というのは,実は説明しづらい。ぶっちゃけてしまえば,普遍的なポップソングとしかいえないかもしれない。まあ,イギリス人らしい皮肉の利いた部分はあるにせよ,誰でも聴ける音楽だと思う。演奏(ここではアトラクションズ)も,パブロック的な猥雑さもあるとはいえ,非常に爽快感がある。


 しかし,その爽快感に陰りが見える,というかコステロの逡巡が始まるのが次の『Trust』で,その直前のこの作品には,ポップ職人コステロが最良の形で詰まっている。


 ロックンロールは,そもそもパーティミュージックだった。そういうことを思い出させてくれる活きのいい楽曲。1曲あたり平均2分の短い演奏時間。そして,このアルバムの最大の特徴が音質だ。コステロの初期のアルバムで,音質がいいものなんて無いが,これの音の悪さは際立っている。とにかくモゴモゴしてダイナミックレンジが狭いのだ。えっ?じゃあダメじゃん,と思うなかれ。このアルバムの音質は,ラジオだ。そう,この作品は,ラジオから流れてくるパーティロックンロールだ。


 あっという間に全20曲を聴かせる凄いアルバムです。




ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント
ハイ・フィデリティ 特別版

↑『Get Happy!!』の収録曲である「ハイ・フィデリティ」にインスパイアされた小説の映画化。ロックおたくの悲哀を余すところなく。


Elvis Costello
My Aim Is True

↑ついでに1stのデラックス・エディション。通常のCD→ボーナストラック満載版CD→2枚組みでボーナストラック更に満載版→紙ジャケ→デラックス・エディション・・・とホントいい加減にして欲しいですが,これに収録されたライブ音源は良さそうです。でも買いません(2枚組みのところまではつきあった)。